(31)『新世界より(下)』
眠れないなぁ → 下巻の最初だけ読んで寝るか → 朝,そして読破
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/24
- メディア: 単行本
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相当おもしろいですこれ.細かい部分のアラを探せばキリがないだろうけど,それをチャラにできるほどの著者からのソウルを感じました.人間の業をテーマに念力(PK)と1000年後の世界という設定から,やもするとトンドモ本になりそうな気配を見事に押しつぶす圧倒的な筆力.上下巻で1000ページ以上ある文章量から正直言ってお腹いっぱいです.しかし不思議と胃もたれしないこの爽快感.小難しい純文学とは違うエンターテイメントならではの小説の楽しみ方を味わうことができましたよ.
かなりのオススメなんですが,僕にはあらすじを紹介する文章力もないので上下巻のオビに書かれている文面をあげておきますね.
(上巻)
1000年後の日本.伝説.消える子供たち.ここは汚れなき理想郷のはずだった.
子供たちは,大人になるために「呪力」を手に入れなければならない.一見のどかに見える学校で,子供たちは徹底的に管理されていた.
いつわりの共同体が隠しているものとは―.何も知らず育った子供たちに,悪夢が襲いかかる!
(下巻)
見せかけの平和がいま崩れる.人類が手にしたのは,神の力か,悪魔の力か.
八丁標の外に出てはいけない―悪鬼と業魔から町を守るために,大人たちが作った忌まわしい伝説.いま伝説が,「実体」となって町に迫る.
新しい秩序とは,おびただしい流血でしか生まれないのか.