性格の悪いワーキングプアー

先日やけにショッキングなことがあったのです.僕の高校のときの1つ下の後輩が転職しようかどうか悩んでいました.彼は転勤が決まっていて,その話が出た後に就職活動を始めたみたいなんですが,給与条件を面接を受けた先と話し合った結果,現在もらっている給料と変わらない条件を引き出したようです.給料が変わらないなら,遠くへ引っ越さなくてもいいし,じっくり考えてみなよと他人事のように言ったワタクシでしたが内心はベッコリ凹んでました.なんで凹んでいたのかというと彼の何気なく話した月収が自分のそれより倍も違っていたからです.
彼の新しく受けた会社は年俸制で,それを月ごとに分割して支払っているみたいなんですが,それにしても絵にかいた程のナイスな格差社会ですね.よく聞く新入社員の平均給与なんて,本当に耳にしたくないですよ.自分の給料と殆ど変わらないから.「学生だからしょうがないか」と納得しようとしても僕の場合は特殊だからそれも通じない.大学出て働いて数年たった後大学院に入り直したので(現在も働きながら院には通ってます).でもその間,職場は変われども給料は全くと言っていいほど増加することはありませんでした.非正規の雇用者なんてどれもそんなもんなんじゃないかな.
僕は働き始めて1,2年は何とも思わなかったけど,だんだんとダメになっていく自分に気付きました.自分が少しずつ仕事を覚え,こなしていけるようになるにつれ納得できないことが猛烈に増えてきたからです.年功序列はムカつくけれどそれはまあよしとしましょう.でも自分よりも年下で全然仕事もできなくて気合も入ってない人が,社会的に保障もされる身分にいて「今年の夏はどこに行こうか」なんて近くで言っているのを聞くと,本当に心が荒んでいくような気がします.
そして何よりも恐ろしいのは自分に対する自信が無くなっていくことなんですよ.生徒の評価や受けもいいし,周りの先生からは頼りにされている.「先生はいつも頑張ってますね」「どうして先生がうちのクラスの担当になってくれないんですか」なんて言われると僕は単純だから素直に嬉しいです.それでも自分の立場が一向に改善されない現状がそこにあって,一生懸命頑張っていても結局それは自分の思い過ごしで,実際は全く頑張ってなくて,周りの人の言うこともヨイショというか皮肉が込められているのではないかと感じてきてしまうのです.
全くもって期待をかけてくれている人たちには申し訳ない話ですが,それが偽りのない自分の気持ちです.本当に僕はここ数年で嫌な奴になったと思います.自分がどんなに努力しても,たとえばその結果生徒が頑張ってくれて自分の希望通りの進学を果たしたとしても,達成感は一時的なものですぐに消えてしまいます.
なんでそんなふうに考えてしまうのかと,おかしい頭で精一杯考えてみると,やはり自分はロマンチストで社会に対して悲観的になっていても,心のどこかで頑張っていれば必ず報われる筈だと考えているからでしょう.だから頑張っていても自分が現状と変わらないポジションにいるということは,結局は頑張っていると思っているのは自分だけで,周囲の人間の方が優秀で情熱もあるんだろうなと考えるようになってしまったのだと思います.自分の力不足を他人のせいにすることはできないんです.小心者だから.そして自分がどこかで悲運のヒーローをきどっている部分があることは否定できないです.他人のせいにするよりは自分のせいにしようと.人のせいにしない俺カッコいいと.だからそれらのおかしな思考の中で,バランス感覚を保とうとしていながらも,いろいろな箇所から力が加わって自分をこれ以上歪ませないように必死になっているのです.
それが人間としての魅力を奪っているのかもしれません.何もネガティブに考えることもなく,たとえできなくても努力を続けて,素直に人の言うことを信じて共感できる人は,人間として魅力が溢れてくると思います.でも,やるにしても,口には出さないかもしれませんが何かと文句をつけて批判の対象を外部や内部に求め自分の平静を必死に保とうという人は魅力的ではないです.必ず負のオーラ出てますって.なんか最近の自分,必死ですもん.冷静に考えても考えなくてもキモいっすよ.

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このブログもそんなエントリばっかり.いつも読んでくれている人は「またこのエントリか」と思うかもしれませんし,再び嫌な気分になるかもしれません.それでもここに書くことがどれほど自分の平静を保つことにプラスとなっているか計り知れないのです.誰も反応しなくていいですよ.だって声だって掛けようが無いもの.ただ黙って読んでいてくれるだけでいいです.それだけで僕は落ち着けます.王様の耳はロバの耳.みなさん今日もありがとう.