「今さら学生」で得たもの

学部生の卒業論文要旨集をぱらぱらとめくってみました.







・・・ひどい..



当然「よく書けているなぁ」ってのもありましたが,どうしてもひどいのに目がいってしまいます.「これ作文じゃないの?」がけっこうありました.で,それだけではフェアじゃない(?)ので家に帰ってきて,自分が学部時代に書いた卒論を読んでみました..












・・・読ムンジャナカッタ.



よくこんなの通ったなと思わずにはいられません.恥ずかしくて脳内で大暴れです.はぁ...でもそこで終わったらひとり羞恥プレイをした意味がないですね.


僕の学部時代の専攻は歴史でした.それが学校の持ち授業の関係で地理をやることになって,いつのまにか地理の教員になってました.自分で研究もしたことないのに.中学1年生以来地理なんて近付いたこともなかったけれど,授業や大学入試問題なんてアホでも繰り返しやればできるようになります.でも僕は根本的に地理を理解していなかった.教員が言うことじゃないのかもしれませんが,中学高校で学ぶ内容は学問ではないですよ.だから何とかして学問としての地理学に触れたいと思った.そうじゃないとキーワードの羅列だけの大学入試制度をおかしいと感じながらも,生徒を突っ込ませている自己矛盾を解決できないと感じたのですよ.自分が少しでも学問の入り口に立てたのなら,制度の欠陥のなかでもましな内容を伝えられるかもしれない・・・伝えられないかもしれないけれど,いつかそれが僕の姿勢や授業中の説明ににじみ出るときがくるかもしれないと思ったのです.
だからたぶん付け焼刃かもしれないけれど,学部の地理学を学んでいなくてもなんとか修士論文は出せたのでしょう(本当に内容はひどいものでしたが).それでも学部論文よりははるかに成長したと思う.昼は月〜金で普通に働いても何とかなった.学部生に負けるわけないよ.だって7年も前の自分に負けるわけないもの.親の金で生きながらバイトは小遣いに飲み会合コンゲーム漫画好きな時間に寝て起きて飯食って(親の)車で彼女とドライブ・・・それでいて世の中わかったように生きていた大学時代だったんだからね.
でもきっと当時も「自分はわかっていない.できてない」って言っていたとも思う.だけどそれはただ「わかってない」と言いたかっただけ.わかってないことを知っている俺かっこいい.無知の知サイコー!!みたいな(もうほんと恥ずかしくて死にたい).今は少しだけ(本当に少しだけ)わかってない自分のどこがわかっていないのか・ダメなのかを理解できた気がします.それと僅かながら生徒への説得力を持つことができたかしら.あとキャリアアップ以外に,生きるために学問への重要性を身をもって知ったことですね.だから大学院に行ってよかった.もう一度本気で学んでよかったです.薄っぺらな言葉ではなくね.