(2)『会社で働くということ』

昨日読み終わった本はこれ


 

会社で働くということ (岩波ジュニア新書)

会社で働くということ (岩波ジュニア新書)

いやーもうほんとに岩波ジュニア新書はクオリティ高いよ.ジュニアという言葉に騙されてはイカン.内容は充分大人でも耐えうるものだし,それ以上に何がすごいのかといえば,シリーズ全てに共通する誰が読んでもわかるように懇切丁寧に文章が書かれているということだ.このシリーズを読むことによって,自分の考えていることや物事の説明にその仕事の殆どが費やされる僕自身がとても勉強になります.

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この本を手に取った理由は,僕が「仕事をしたくないなぁ」といつも思っているから.働いているのは営利目的の企業ではないけれど,どちらも組織としての共通点はある.自分が毎日感じることだけど,世の中は仕事しなさいオーラに満ち溢れていると思うんだよね.働くことがいいことだという風潮.僕はできることなら働きたくない.でも働かないと自分が生きていけないから働く.金銭的な面でもそうだし,社会的ステータスの面でもそうだ.だけど働くこと・働かないことで人間の尊厳は変わらないと思うわけよ.別に働かないからといって人としての価値は変わらない.でも今の社会に生活をしていると,働かないことで生きづらい世の中を自分で作り出してしまうという事実は変わらないわけだ.だからそれらの疑問に対する根本的な答え…どうして人間は働かないといけないのか,それを知りたくてこの本を読んでみたんだけど,書いてあることは会社とはどういうところなのかということで,僕の目論見はまんまと外れたww そりゃまあそこまで踏み込んだら中高生には難しすぎるか..
でも面白い部分はいくつかあった.注目したところは「自分が働く前の段階で,親とのコミュニケーションをしっかりして,できることならば親を喜ばせるような会話をしてみなさい」という箇所.なるほどなぁと.「別にヨイショをしなさいと言っているわけではない」と書いてあったけど,ものすごく納得できた.社会に出れば,自分たちと同じ世代の人たちよりも親世代の人とコミュニケーションを図っていくことが多い.もちろん双方に納得できないことはあるけれど,先方の顔を立てて自分の主張もきちんとする.そのような異世代との建設的な関係を構築することが会社で働くということと,社会に生きるということに繋がっていくんだ,と著者は言ってました.全く反論の余地がありませんな.
今の時代は親子の関係って軽んじられがちでしょ(別にむかしを知ってるわけじゃないけどさ).生まれたときから一緒だし,お互いを尊重しあう関係というよりも親サイドから子どもに自分らの希望を一方的に押し付けるとか,あるいは子どもサイドから無理難題我が侭を要求して親がヘコヘコそれに従う…なんて関係はよくあるんじゃないか.そんな親子関係が今までずっと続いていたのであれば,赤の他人と一緒に働くってのは難しいよね.結局今回も非コミュの話になっちゃうんだけどww ,ニートにしても引きこもりにしても,そんな彼らを養っている家庭では親子の会話がきちんとなされていないことって多いと思うよ.親子の双方がそれぞれ自分を主張できて,また他方の意見に耳を傾ける余裕があるのなら,その家の子どもはきちんと働く(よくわかんないけど働かなきゃいけないと考える)ようになるんでしょう.