非コミュに話しかける

非コミュな人に話しかけたら嫌がられるだろうか? 「自分は非コミュ所属だ」と宣言する人の多くは,ブログか何かでリア充との取り扱われ方の違いを赤裸々に語っていたりするけれど,他人と交流を持ちたい・他人から話しかけられたいかどうかについては言及を避けているような気がする.話しかけるというのはその人物に興味があってのこと.それは決してからかっていたりとか,バカにしているからというわけではない.僕はウザい人間だから物静かな人がいると話しかけたくなるのだ.
話をしたいのになかなか自分から話しかけられない人もいるだろう.だったら他人に対してのバリアーが薄い人間から,話しかけたほうが良いんじゃないだろうか.「話しかけてくんなよ.俺は静かにひとりで居たいの」っていうんだったら,話しかけた後のリアクションでなんとなくわかるだろう.実のことを言えばそういう人は話す前からわかったりする.僕自身は人に嫌われたくない人間だから,人が好印象を持っているのか,悪印象を持っているのかは肌で感じることが得意な方だ.
そんな経験を踏まえてみても,自分に対しては現実世界で「近づいてくんなよオーラ」を発散する人が少ないということは嬉しいことだ.人と接する機会が多い職業からいってもそれはプラスになるだろう.そんなことを雑談っぽく授業中,生徒に言ったら「そりゃそうですよ.だって先生自身が嫌いな人少ないじゃないですか? 人を嫌いにならない人は自分が嫌われることも少ないですよ」って言ってきた.びっくりした.そんなもんかね.
話を戻す.非コミュな人は脱非コミュを目指しているのだろうか.友人を増やしたい・彼氏彼女がほしい,そういった願望を強く持っているんだろうか.それとも会話をするスキルであったり,社会性の壁(と言われているようなもの)の閾値が高すぎて尻込みしているんだろうか.僕が勝手に思うに非コミュの人は行動力があまりない,めんどくさがりが多いような印象を受ける.全然関係ないようだけど部屋を掃除することはリア充への第一歩だと勝手に思っている.部屋が汚いということは誰かを部屋に呼ばない・呼べない自分への口実になる.「どうせ呼ぶ友人も居ませんですよー」なんて言ってもそれは議論を摩り替えているだけだよね.
またもや話を戻す.非コミュの人の周りには,物静かな人に話しかけたくなる自分のような人間が居ないのかもしれない.或いは誰も近づくんじゃねーオーラを話好きな人間に発散しているのだと思う.話す機会が少なければ人は話すことが苦手になる.でも会話は口なんて動かさなくてもいいんだよ.自分から話せなければ人の話を聞けないわけじゃない.自分が言葉を発さなければ会話をしていないなんて誰が決めたの? 一方的に話せる人間は腐るほど居るよ.否定をするわけでもなく自説を押し付けるわけでもなく話がしたい,ただそれだけの人.なぜならその人に興味があるからだ.からかっているわけでもなく,バカにしているわけでもなく.
前述の「人を嫌いにならない人は嫌われることも少ないでしょ」と言った生徒.彼の話でびっくりしたのは,彼がいつも口を開いて言葉を発することが少ないからだ.それは僕に対してだけじゃない.周りの生徒とも話さないでどことなく浮いている感じ.「こいついつも変なんですよ〜.誰とも話さないんですよ〜」ってクラスの調子のいい奴は言っている.でも別にいいんじゃね? 話したくなかったらムスってしてればいいし,話したかったら話せばいい.話したいのに話せなければ話したい・俺は聞いているぞっていう意思を示せばいい.俺は当然黙っているほうがつらいけどね.でも喋りたい喋りたいっていう人間,それは果たして本当に社会性を手にしている人間と言えるんだろうか? うるせーし,くだらねーことをまた今日も言っているなーっていっつもお前らは思っているだろ? つまんねー話をするより.黙っててもしっかり人の話は押さえていて「俺はいつも聞いているぞ」と鼻でも鳴らして笑ったほうがよっぽどいい場合だってあるんじゃないか? って言ったら寡黙な生徒が思いっきり笑った顔した.おもしれーなこいつって思ったのかもしれない.バカかこいつって思っただけかもしれない.でもそいつはそれ以降授業中に「俺はいつも聞いているぞ」という反応を示すようになった.いやあこれは嬉しかったね.どうせ自己満足だけど.
誰もが仲良くなれない人と仲良くなれる!すげえ!マジ神!!って,そんな下らない自己満足がほしいわけじゃない.自分はただ単に他人に対して強烈な興味があるだけだ.ストーカーとかスネークとか(?)そんなんじゃなくて,自分に興味が向かない分人に興味が向いているだけ.自分が嫌い.俺つまんねーっていっつも思っている.だから人が羨ましくてしょうがないし,人の話は何でもいつでも聞きたい.ウザいほどの詮索は興味がないけれど,話してくれる話は寝ないで聞きたいよ.だからいつもひとりで喋ってる.いつか話を聞くために.